ぎっくり腰の治療

ぎっくり腰の治療

ぎっくり腰とは

ぎっくり腰とはそもそも何なのでしょうか?

一般的には、読んで字のごとく、不意に「ギクッ」と音がしたかのように腰に痛みが走り、動けなくなってしまうものを指します。

その昔、西洋では『突然痛みで動けなくなる』ので、魔女の一撃とも言われていたそうです。

しかし、医療機関では実際はぎっくり腰と言う名称はありません。
医学的には、急性腰椎や腰椎捻挫とよばれ、重いものを一気に持ち上げようとしたときや、腰をひねったときに何の前触れもなく急に痛みがでてしまう腰の状態の総称です。

人によっては、朝顔を洗う時など何気ない動作でぎっくり腰を起こすことが多々あります。

つまり

ぎっくり腰=急性腰痛=急に腰が痛い

状態なのです。

当院では、突然起こったぎっくり腰、ぎっくり腰を起こしてなかなか治らないときなど、患者さんの状態に合わせて随時かつ早急に対応できる体制を整えています。

ぎっくり腰の起こる状況

  • 顔を洗った時
  • 靴下を履こうとした時
  • 靴を脱ごうとした時
  • 歯を磨こうと手を伸ばした時
  • くしゃみをした時
  • 咳をした時
  • 立ち上がった時
  • 重いものを持った時
  • 手を伸ばそうとした時

上記の項目を見て当てはまるものはありましたか?
ほとんどの方が、朝、少なくとも午前中にギックリ腰になっています。

そして、ぎっくり腰を経験したことのない人でさえ、日常の何気ない動作で発症し、寝返りや立ち上がることができないくらい痛く生活に支障が出てしまいます。

また、ぎっくり腰は、一生のうちに何度も、人によっては1年に数回再発してしまうこともあります。

ぎっくり腰の中には慢性的な腰痛やヘルニア、腰椎椎間関節症、腰部脊柱管狭窄症など他の疾患が起こっていることがもともとあり、その症状に上乗せしてぎっくり腰をおこし、回復するのに時間がかかってしまうこともあります。、何度もこの痛みを経験されている方は、症状があらわれたときの治療だけでなく、普段から予防として治療や生活習慣の改善が必要です。

ぎっくり腰の症状

ぎっくり腰の主な症状は、重いものを持ち上げようとしたとき、腰を捻ったときなどに、激しい痛みがあらわれ、からだを動かすことが難しくなります。この激痛が起こると、普通は、前かがみの姿勢になると楽だといわれていますが、立っている姿勢のほうが楽であることも多く、激痛のあまり、寝返りや体を起こす、靴下を履く、顔を洗う、代弁、小便をする、入浴するなど、体勢が変わる動作自体が困難になります。

日常生活において、激痛のため、何をするにも行動が制限されてしまうようなぎっくり腰は、数日間から数週間でおさまり、改善するとは言われていますが、軽い腰痛はその後も数か月間と長期間続くこともよくみられます。

1. 仙腸関節の損傷によるもの(捻挫)

仙腸関節とは、骨盤にあります。腰というよりお尻の上あたり、尾てい骨の上の方で、お尻の内側の付け根、背骨の下といったほうがわかりやすいでしょうか。この部分をひねったために、痛みがでるといわれています。また、仙腸関節を損傷してしまうと、骨盤の上にある背筋まで緊張してしまい、痛みが出たり、太ももの後ろや、ふくらはぎにも連動して痛みやしびれが伴ってしまうこともあります。

2.腰椎の損傷

腰椎の損傷の場合は、骨盤の上にある背骨の腰椎部分、つまり腰の中心部に痛みがでるといわれています。こちらの損傷だと、背骨沿いの脊柱起立筋だけでなく、インナーマッスルと呼ばれる深い部分にある回旋筋など背筋が緊張してしまい痛みが出現したり、下肢に、神経根が圧迫されて根性痛というものを起こす痛みと、上記で述べた関連痛を起こす痛みの二通りがあるといわれています。

中には、腰椎自体、いわるゆ骨折しているケースもあり、治療前に判断することが必要となります。

骨折した場合でも、病院での治療は特になく、あってもなかなか治らないですが、鍼灸治療では、骨折周囲の組織を正常な状態に整え、早く痛みと炎症を抑え、骨がつながりやすいよう誘導することができます。

3. 背筋や筋膜(筋肉を包んでいる線維性の膜)の損傷

背筋や筋膜は傷害された場合、その部分の痛みを感じることになりますが、腰椎や仙腸関節に問題がないと、筋肉や筋膜を損傷していることはあまりないといわれています。ただ、人間は教科書通りに病気が現れることはあまりないので、筋肉だけの痛みとしてあらわれることもあります。

ぎっくり腰に対する鍼治療の第一目的は、動ける状態にすること

ぎっくり腰の治療

ぎっくり腰は、1~2週間安静にしていれば痛みは引きます。

しかし、急性期を過ぎると、今度は血行障害が起こり、筋肉も硬く冷たくなってしまうため、動かすと痛い、もとのようには柔軟に動かなくなり、更に大きなぎっくり腰を引き起こしてしまうことがあります。

そのため、まずはぎっくり腰を起こした日に炎症を散らす治療をおこないます。その後は病期と症状に合わせて適切な治療をおこないます。