坐骨神経痛の治療

坐骨神経痛の治療

坐骨神経痛とは

坐骨神経痛とは、腰からお尻、足先にかけてつながっている坐骨神経が、さまざまな原因で痛みやしびれがあらわれる症状のことです。

坐骨神経の坐骨とは、椅子に座った時ぶつかるお尻の骨です。この骨のすぐ横を通る神経なので坐骨神経といいます。

坐骨神経痛の症状

  • おしりが痛い
  • ももや足ががつる
  • スネの外側だけ痛い
  • 足の小指が痛い

坐骨神経痛の症状は、動くと痛みが強くなったり、夜寝静まると強くなったりさまざまで、お風呂などで温めると楽になる傾向にあります。

一般的に坐骨神経痛と訴える患者さんは、お尻が痛く、お尻が痛いから「坐骨神経痛は鍼で治りますか?」との問い合わせがあったり、初診の問診で訴えます。しかし、坐骨神経は、お尻だけでなく膝の後ろのあたりで枝分かれして足の前と後ろに走っているため、坐骨神経痛の症状として、お尻や、ももの後ろ、スネやふくらはぎ、つま先までの一部あるいは全部の痛みやビリビリと感じるしびれがあらわれます。

坐骨神経痛は、中高年の男女に多くみられますが、原因となる病気によっては10代、20代からもあらわれることがあります。

坐骨神経痛に対する鍼灸治療

坐骨神経痛の鍼灸治療

坐骨神経痛の治療法としては、痛み止めの飲み薬、注射、湿布、塗り薬や、温熱療法、低周波や遠赤外線、レーザーなどの電気光線療法、痛みに対しての認識をかえていく認知行動療法、そして鍼灸治療があります。

このような治療法のなかで、患者さんの負担なく、副作用もなく本当に痛い部分、悪い部分に対して効率よく治療をおこなえるのは鍼灸治療だけです。

坐骨神経痛の治療では、まず坐骨神経痛だけでなく体の気になる症状、どんな時に気になるのか、症状が悪化する状況などの内容をうかがって、原因を突き止めます。

その後、現在の状況のご説明、治療内容と今後の方針を極力わかりやすく説明させていただき、患者さんにご納得いただいてから治療に入ります。

問診後は、坐骨神経痛の原因が何なのか確認するための検査をします。
また、動脈瘤や尿路結石、便秘、盲腸や腸炎など要因があるのかも把握しなければなりません。

症状によっては、すぐ病院に行き処置をしなければならない病気が潜んでいることもありますので、治療前の大事な作業です。また、脈を診ることで、自律神経の変化や生理周期の変化も読み取ることができるため確認します。

問診と検査等の後は、ベッドに横になってリラックスしていただいた状態で治療を開始します。

体の状態が冷えているのか、硬く緊張しているのか、逆に軟弱になっているのか、一部の組織が炎症反応を起こしているのか、患者さんの主な訴えと関連する部分はあるのかなど把握したうえでその日の体の状態に合わせたツボに鍼灸治療をおこないます。鍼は髪の毛と同じくらいの太さ0.10mm-0.14mmほど、痛くない、安全で安心して治療をおこなえるような工夫をしています。

お灸は、火が直接肌に触れないものを使用していますので、火傷やお灸の痕が残る心配を極力減らします。

お灸にはリラックス効果だけでなく、鎮痛効果、血行の促進や抵抗力を高めて体を強くしてくれるといった様々な作用があります。また、鍼治療の後にお灸をすることで、治療効果が持続する作用もあります。

夜中に症状が出る場合は慢性期に突入しています。
症状固定、悪化しないよう一日でも早く治療していきましょう。