靭帯損傷の治療

靭帯損傷とは

靭帯とは、関節を構成する骨と骨がグラつかないように支えている吊橋のロープのようなものです。この靭帯の部分に痛みを生じたり、関節の動きが不安定になることを靱帯損傷と呼びます。

靭帯は基本伸び縮みしません。また、靭帯は原始的な組織でできているため、何らかの怪我で靭帯が伸びてしまった場合、構造上はもとに戻ることはありません。

膝の靭帯

膝の靭帯
  • 前十字靭帯
  • 後十字靭帯
  • 内側側副靱帯
  • 外側側副靭帯
  • 膝蓋靭帯

足首の靭帯

足首の靭帯
  • 前距腓靭帯
  • 後距腓靭帯
  • 踵腓靭帯
  • 三角靭帯

靭帯損傷の症状

靭帯損傷を訴える患者さんの殆どが、膝の靭帯もしくは足首の靭帯で、スポーツや交通事故、転倒が原因で捻挫しておこります。主に、膝の内側、前後(十字靭帯)足首の外側(ねんざ)が多い傾向にあります。膝の靭帯損傷では、同時に半月板損傷を起こすことも多いです。

  • 痛みがある
  • 腫れがある
  • 熱感がある
  • 動かす時に部分的にグラつく

診断方法

靭帯損傷の診断は、徒手検査や症状の経過からも可能ですが、安静時のレントゲン写真では鑑別できません。そのため、MRI検査や、関節に負荷をかけた状態でのストレスX線撮影などにより行われます。

一般的な治療法

明らかに傷めたとわかった時には、応急処置はアイシングが最も有効とされています。痛みに対しては湿布などの消炎鎮痛剤、超音波、低周波などの物理療法なども効果がみられます。靭帯が切れてしまった時にはつなげる手術をおこないます。靭帯は原始的な組織のため、一度伸びてしまうともとに戻ることはありません。痛みのコントロールのみになってしまいます。

靭帯損傷に対する鍼灸治療

内側側副靭帯損傷の治療

※写真は膝内側側副靱帯に対する鍼灸治療

靭帯損傷の治療は、痛みが出始めた急性期、その後の慢性期によって多少異なります。

一般的な治療法と違い、鍼灸治療では、痛みの原因となる部分や、関連した組織に対して鍼やお灸を症状に合わせて適切におこなうことで、痛みをなんとかしたい時に有効、かつ早期回復が可能です。

また、手術後の運動制限や違和感、痛みが生じる時、それ以上の効果を求める場合には再生医療を組み合わせた機能再生外来での治療が有効です。