膝の半月板損傷の治療
膝の半月板損傷とは
膝の関節を構成する骨には、太ももの大腿骨、スネにあたる脛骨、これらの骨のクッションの役割をしている軟骨の役割をしている半月板があります。
半月板には、外側半月と内側半月があり、何らかの理由で傷めた時に欠けてしまうことがあります。これが原因で痛みが出たり、曲げ伸ばしに制限が出てしまうことを半月板損傷と呼んでいます。
半月板損傷の症状
半月板損傷の症状としては、膝の曲げ伸ばしの際に引っかかる感じがしたり、痛みがあらわれたり、時には水が溜まって腫れ上がることもあります。症状がひどいと、完全に曲がらなくなったり、膝の裏まで腫れて痛むことがあります。
- 膝の曲げ伸ばしで引っかかる
- 膝を曲げた時に痛くなる
- 膝の裏が痛くなる
- 膝のお皿のまわりが腫れる
診断方法
※膝の骨端成長不全に加え、半月板損傷しているレントゲン
半月板損傷と診断するためには、徒手検査や症状の経過からも可能ですが、単純X線(レントゲン)写真では半月は写りません。
ただ、上の写真のように、長期にわたる負担のため損傷した場合には関節の隙間に差が生じることで判断できることもあります。
症状や診察で半月損傷を疑えばMRI検査を行います。MRIは非侵襲性で半月損傷の病態や合併する靭帯損傷の診断にも有用です。
一般的な治療法
一般的な治療では、抗炎症薬の処方など保存的治療で症状が改善する場合がありますが、改善しない場合には手術を行います。
手術法には
- 切除術(損傷した部分を切り取る)
- 縫合術(損傷した部分を縫い合わせる)
の2種類があり、通常は関節鏡を使った鏡視下手術を行います。
半月板損傷に対する鍼灸治療
半月板損傷の治療は、痛みが出始めた急性期、その後の慢性期によって多少異なります。
一般的な治療法と違い、鍼灸治療では、痛みの原因となる部分や、関連した組織に対して鍼やお灸を症状に合わせて適切におこなうことで、とにかく痛みをなんとかしたい時に有効、かつ根本的に早く治すことができます。
また、近年では半月板損傷に対して内視鏡の手術を行うことが多くなりましたが、その後の運動制限や違和感、痛みが生じる時にも鍼灸治療は有効です。同時にそれ以上の効果を求める場合、もしくは損傷が激しいときには再生医療を組み合わせた機能再生外来での治療が有効です。