逆子治療

逆子の治療は妊娠28週から出産予定日まで

  • 妊娠8ヶ月、逆子体操しても治らなくて…
  • 逆子用にお腹の張り止めをもらったけど、動悸がするだけで治らないんです
  • 帝王切開は絶対イヤ!!
  • 逆子体操やっているけどお腹が張るだけ
  • 妊娠32週を超えました、逆子が全然治らなくて
  • 逆子だけでなく切迫流産になりかけました
  • 9ヶ月になりましたがまだ逆子が治らないんです
  • 二人目もやっぱり逆子なんです

妊娠8ヶ月、妊娠30週前後で逆子がわかることはよくあります。

しかし、早期の赤ちゃんはよく動くので、たまたま逆子の位置になっているだけのことも。その場合は逆子体操や張り止めの薬で治ることはありますが、本当の逆子で妊娠30週を過ぎると自然に戻ることはありません。逆子は鍼灸治療で確実に治しましょう。

逆子ってどんな状態?

逆子じゃない:頭位

赤ちゃんは、お母さんのお腹の中で頭が下になっており、お尻は上にあります。この状態を「頭位」と呼びます。

逆子:骨盤位

一方、赤ちゃんのお尻が下で、頭が上になっている状態のことを「骨盤位」と呼びます。一般的に逆子と言われるのは骨盤位のことを指しています。

妊娠28週までは、赤ちゃんもまだ小さく、自由に動くため、逆子の状態になっていても大きな問題はありませんが、妊娠28週以降では頭位にあるのが普通です。逆子の状態が治らないままお産になると、一番大きな部分の頭が最後に出てくることになります。

そのため、分娩中最後まで赤ちゃんがきちんと産道から出てこれるか分からず、無理やり引き出すことになった場合、後遺症が残ってしまうことも少なくありません。

逆子の原因

逆子になってしまう原因にはいくつかあります。それは

  • 冷え症や緊張感からお腹の張りが強い
  • 一人目の赤ちゃんで子宮が硬い
  • 前置胎盤や低置胎盤
  • 羊水過多・羊水過少
  • 子宮の奇形
  • 子宮筋腫
  • 卵巣のう腫
  • 臍帯が赤ちゃんに巻きついている
  • 一人目が逆子、帝王切開している
  • 赤ちゃんがまだ成長していない

などがあります。そして、その時のお腹は赤ちゃんにとって居心地の悪い状態なのです。
最近では、お腹の張りの原因となることから逆子体操をすすめない産婦人科も増えてきています。

逆子が良くない理由

それでは「なぜ逆子は良くないのか?」

それは、逆子が赤ちゃんとお母さんの危険信号だからです。 お腹の状態がよくないから、赤ちゃんに危険が及ぶ恐れがあるから、赤ちゃんは、逆子の位置にいるのです。

逆子のまま出産を迎えると赤ちゃんの足のつま先や膝、つまり小さくてとがった部分で子宮口付近を圧迫しやすく、破水しやすいリスクがあります。また、お腹も張りやすくなります。

一番大きい頭の部分が最後に出てくるので頭蓋内出血や新生児仮死の危険性が高くなります。

その際に、頭と産道で臍帯を挟んでしまい、酸素不足になりやすいために、頭の娩出に時間がかかると新生児の状態が悪くなってしまう、脳が酸欠状態になり、発達障害の危険性があるからです。

また、胎児の腕や肩が出てくるときに、鎖骨や上腕骨などの骨折、肩や腕、手指の神経マヒをおこしてしまう危険性も高くなります。

そんな逆子の状態を改善するために鍼灸治療が必要となります。
逆子体操でも、張り止めの薬でも効果がなかったり、外回転術ではリスクが大きいです。
その点、鍼灸治療なら安全に、安心して逆子を改善し、正常な体位に戻す可能性が高い治療法となります。 そして、近年問題となっている切迫早産の可能性も鍼灸治療なら改善できるとの研究結果もでてきています。

逆子の見分け方

妊娠28週逆子
妊娠8ヶ月(妊娠28週)逆子のお腹
妊娠28週逆子
妊娠8ヶ月(妊娠28週)逆子の位置

逆子はどのような状況でわかるのでしょう。
お腹の赤ちゃんが逆子だと知るのは、ほとんどが妊婦健診のときです。

妊婦健診でエコー検査を行えば、お腹の赤ちゃんの様子がわかるので、医師から指摘されます。

また、エコー検査を行わなくてもお腹を触診したり、心音の位置を確認することでわかることもあります。

赤ちゃんが体を動かした時や、足で蹴ったりした時には胎動が感じられます。特に足で蹴った時の胎動は強く感じられますから、頭位にある時の胎動はお腹の上の方で感じることが多くなります。

ただ、逆子の場合は足が下の方に来ていますので、足で蹴った時の胎動がおへそのかなり下の部分に感じられることになります。その時は、蹴られたことで尿意を感じたり、恥骨に痛みを感じたりすることもあります。

当院では、お腹の触診をさせていただくことで、赤ちゃんの大きさ、羊水の量、頭、背中、お尻、足の位置等を把握し、逆子の治療に反映させます。


逆子に対する鍼灸治療

逆子の鍼灸治療

※三陰交に鍼をして遠赤外線で温めている様子

「逆子治療には鍼灸がいい」と聞いたことはありませんか?
そうです、逆子には鍼灸治療が効果的なんです!

逆子の治療は昔からやっていましたが、近年、釈由美子さん、大島美幸さん、山本モナさんをはじめ、著名人の方も逆子をお灸で治したことを報告したことで普及してきました。

実際に逆子の治療で使うツボは

  • 三陰交:内くるぶしから指4本分上
  • 至陰:足の小指の爪の生え際の外側

の2ヶ所を主に使用します。

三陰交は、女性ホルモンのバランスを整えるツボ、優しく、体の力が抜けるように刺激することで、お腹の張りが和らぎ、冷えもなくなっていきます。

至陰は、昔は逆子の治療で使われていませんでしたが、現在では、赤ちゃんがまわるきっかけをつくってくれるツボとして使用します。

治療中は、三陰交を刺激するだけお腹が大きくあたたかくなってきて、赤ちゃんが動き始めるのがわかると思います。

  • 極細の鍼を1~2mmだけ刺し、遠赤外線で温める方法
  • 鍼を数分刺した後に鍼を抜き、お灸で間接的にツボを温める方法

など刺激方法をかえて最適な治療をおこないます。

早い人では、1回の治療~3回の治療でなおります。また、妊娠32週以降で逆子の状態にある患者さんでも、帝王切開予定日の前日、当日になおる方もよくみられます。

初めて妊娠され、逆子の診断を受けた方、ストレスや不安が強い方、不妊治療を受けられた方、妊娠9ヶ月以降の逆子はなおりが悪い傾向にあります。そのため、1日でも早く治療し、状態を改善安定させなければなりません。


鍼灸治療で逆子がなおる確率は、妊娠8ヶ月目で92%、9ヶ月で64%、妊娠37週(帝王切開前日くらいまで)で15%が、およその目安になります。

これは、私自身の修行時代からの統計となっております。


逆子の治療を希望する患者さんの来院時期はさまざまですが、比較的多いのは妊娠29週、31週前後です。

その理由は、妊婦健診が妊娠7-8ヶ月、つまり妊娠24週から35週の間は2週間に1回あります。

赤ちゃんが小さいうちは、姿勢が定まらず、お腹の中をぐるぐると動きます。次第に大きくなってくる8ヶ月あたり、妊婦健診でいうと27週から29週のあたりで逆子と診断されやすいからです。

そして、妊婦さんは、逆子体操を指導され、2週間続けます。それでも直らないときに、産科医に鍼灸治療をすすめられる場合、ご自身で調べて鍼灸治療を希望する場合とがあります。また、逆子とわかった時に、自分で逆子のことを調べ、対処法として鍼灸治療をみつけ来院されるケースです。

これらの時期がちょうど妊娠29週と31週前後が多い理由です。


赤ちゃんには、とにかく時間がありません!

赤ちゃんには、とにかく時間がありません!

悩んでいる間にも赤ちゃんはどんどんと成長し、予定日前(妊娠37~38週目頃)に帝王切開をしなければならなくなってしまいます。

しかし、当日の術前検診でなおるケースも多々ありました。逆子治療のタイムリミットは帝王切開当日ということです。

帝王切開を決断する前に、赤ちゃんのためにも、そしてご自身の体のためにも、あきらめず、鍼灸の逆子治療を試してみませんか?